環境ビジネス総合研究所 - EBRI - インタビュー 第14回 株式会社 日立製作所 都市開発システム社 環境ビジネス総合研究所 EBRI

  • <<みっちゃんが行く!

    EBRI事務局担当の岩松美千子こと、「みっちゃん」が会員企業各社を訪問させて頂いて、インタビューした内容を紹介するコーナーです。

  • 第14回 株式会社 H

    寒さが厳しい今日この頃、茨城の良い所を求め、株式会社日立製作所の水戸事業所へ訪問決定。今回はこちらにお勤めの岩田竜一さんを訪ねて参りました。

    入り口門前にて

    入り口門前にて

    今回の参加者。

    今回の参加者。左から、岩田氏、小柴、 加藤(アーバン本社事務)、岩松、 山本氏、小堀氏

    ①仕事(事業)の内容

    日立製作所は重電から家電まで総合電機メーカーです。
    ここの水戸事業所の製品は大きく2つに分類されます。昇降機であるエレベータ、エスカレータ、横に動くオートライン、ビルのセキュリティシステム、入退出の管理システムといった、ACS(アクセスコントロールシステム)、監視カメラ、指紋認証機器などビルに関わる製品。もうひとつが電車関係。電車本体は日立グループの中でも違う工場で作っているのですが、ここでは電車の床下にある装置を作っています。あれは何かと言うと、架線から何千ボルトもの電気を受けて、モーターを回す制御装置です。

    この工場のもともとの歴史は機関車からでしたので、以前は機関車を多く作っていました。東南アジアなど世界中へ輸出が多かったです。機関車が実質無くなって電車になると、国内向けのものばかりになりましたが、最近はこの電車が中国や英国へ輸出されるようになりました。

    そんな水戸事業所の中で私は環境の14001の事務局をしています。省エネしましょうっていう指導教官のような仕事です。ゴミを分けなさい、電気を消しましょう、という活動を「みんなでやろうぜ!」っていう仕事です。この部署には私以外にも何人かいて、省エネルギー・廃棄物・リサイクルなどそれぞれの担当者がいます。私は製品開発の担当者に「環境にやさしい製品を作りましょう」って話とか教育関係を担当しています。

    ここの工場の全従業員は約3,000人。日立グループでは合わせて約20~30万人います。

    ②EBRIに入ったきっかけ

    展示会などにしょっちゅう行っていたのですが、その時に田宮さんの会社(エコヒルズ)のブースを訪れました。ISO事務局支援など私の仕事と直結していて、話をしていて面白いなと思いました。それからちょこちょこやり取りしているうちに青島商談会の話があり、それじゃあそこに手伝いに行きましょう、ということで手伝いに行き、みなさんに出会いました。いろんな会社の最新の情報も取れますよ、ということだし、アンテナを伸ばして情報を自分で取りに行くのは必要、その窓口としてEBRIを使わせて頂きたい。また、みなさんの話を聞いていると前向きなので、めちゃめちゃリフレッシュになります。ちょっとアドバイスをもらうとか、それぞれの会社さん独自のプロの分野を示唆してもらおうかと思っています。

    ③業界の状況、景気

    エレベータ関係は景気のあおりで2~3割物量が下がっています。但し中国にある海外工場は堅調です。国内では新しいビルがあまり建たないので、落ち込んでいます。
    交通の方は特に中国とヨーロッパへの輸出が伸びており、海外に目を向けています。
    業界としては電気メーカー上位数社がほぼ寡占なので、シェア争いが激しいところです。

    ④今後の方針

    日立の方針としては、グローバル化に対応して環境に良い製品を作る。環境での社会貢献は今年の経営課題の二番目にきており、一番は黒字化です。昨年度は7,000億円超の赤字でした。
    また、私の夢は環境で取材されるような工場にしたいっていうものです。この仕事を地道にやって、こまめに電気を消して、だけではつまらない。だったら大臣賞とか推進モデル事業所とか受賞するような工場にしたいと思っています。

    ⑤EBRIの中でどう思っているのか。

    具体的なアクションについて現在は特にないのですが、会員各社さんと少しでもつながりを取りたいです。各社のいいところを良いとこ取りして、この会社に使えないかな?と思っています。会員みなさんであれば最初から本音で話しも出来るし、私の知らないことも教えていただける、そういう点がとてもいいです。

    ⑥その他 工場の取り組み

    工場では環境配慮製品の設計/製作、有害物質の排出抑制、省エネ、環境教育などに力を入れており、有害物質ではVOC、シンナー、トルエンなどを減らすのがターゲット。さらに歩留まり向上という活動、つまり鉄板などを切る時の切りかすというような無駄になるものを極力減らしましょうというのがキーワードです。

    また、環境配慮製品では日立オリジナルの環境マークを作り、開発時の環境評価点により何点以上だったらこのマークを付けてPRしようとする取り組みもやっています。
    製品に入っている化学物質の鉛、カドミウム、クロムなど人体には悪い物質を無くしたいのがですが、難しい悩みです。
    この工場のCO2はかろうじて下げてきていますが、生産原単位で言うと結構厳しいです。今年は原単位では目標未達成になりそうです。
    塗装では乾燥炉の熱回収機を導入したり、水溶性や粉体の塗料を採用しシンナーなどのVOCを減らす作戦をしています。

    廃棄物においてはゼロエミッションを達成しました。排出されるゴミは何らかのかたちでリサイクルしています。燃やすものもあるのですが、燃やしながら発電する業者に頼んでいます。ただ燃やすだけの業者には頼みません。廃プラはとりあえずリサイクルしたのだけど、燃やして熱回収というだけでは面白くないので、圧縮して売れるようにしましょうという区分が最近始まりました。ただし、売れる金額が現在は下がっています。また、食堂の生ゴミは処理機にてコンポスト(堆肥)化し、これもリサイクルにまわしています。
    さらにこのような取り組みをまとめた環境報告書を公民館などに置いたりして情報公開をしたり、地元の産業フェアに出展したり、地域交流の仕事もしています。

    トピックスとしては新しいエレベータの研究塔がもうすぐ出来ます。高さは約200メートルあり、世界最高速となる定格速度1,080m/分のエレベータの実証実験や、世界最大級となる積載質量5トン(定員約70名)で定格速度600m/分の高速・大容量エレベータの製品開発を行うことを目的に世界一の地上高で建設しています。本研究塔では、エレベータが高速走行をする際の乗り心地を向上するための制振装置、およびかご内気圧調整装置を開発するほか、昇降路の省スペース化や、エレベータかごの軽量化に向けた技術開発などにも取り組みます。関連設備を含む本研究塔の総投資額は、約60億円です。
    その他には、排水処理場を新しくなり、生産設備からの排水を浄化した水はトイレの洗浄に活用し始めています。

    海と山本座長

    海と山本座長

    【編集後記】

    茨城県ひたちなか市に位置する日立製作所の水戸事業所。勝田駅を降りると目の前に広大な工場施設が広がっていました。工場内は撮影禁止の為、内部の様子は残念ながらご覧頂けませんが、様々な設備が整い、緑あふれた環境の良い工場でした。中でも特に気になったのが、環境取り組みへの意識の高さです。電気の節約や資源の有効利用などは当然のことですが、環境負荷の少ない製品開発や資源の循環利用、環境管理体制の強化など積極的に行っておりました。

    海の見える露天風呂があるホテルに宿泊した翌日は、周辺観光としてほしいも農家を訪れました。(永井農芸センター http://www33.ocn.ne.jp/~nagai_nougei/Sub_index.html )ひたちなか市では古くから冬の農産業としてほしいもを作る農家が多く、ほしいも販売の旗を街道沿いに出した農家が沢山ありました。今回訪問した永井さん宅ではほしいもの生産工程のご説明から、作業の様子、最後はご試食まで‥すべてを見学させて頂きました。食物繊維はご飯の約20倍、ビタミンB1やB2が豊富で、カルシウムやカリウムも含まれています。おいしくいただけて、栄養価の優れたすばらしい食品です。大量生産の為、お芋を剥いた皮の量はナント毎日軽トラック2台分!これは堆肥にしてまた来年のおいしいほしいもの為にリサイクルするんですって。ここでもエコなお勉強が出来ました。

    今回は日立製作所という大きな企業の中で、真面目に環境問題を考えていらっしゃる、人情味あふれた岩田さんの温かさにふれました。企画の段階から訪問に至るまで、きめ細やかなご配慮を頂きありがとうございました。茨城には他にも沢山いいところがあるそうなので、またぜひ第二弾も計画したいですね。

    ほしいもは昔ながらの天日干し

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    工程はすべて手作業です

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    偕楽園にて紅梅見学

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    節分祭にて福を授かりました

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    事務局小柴が急遽決行!弾丸ツアー

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    納豆づくしの料理もいただきました

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