環境ビジネス総合研究所 - EBRI - インタビュー 第16回 山陽製紙株式会社 環境ビジネス総合研究所 EBRI

  • <<みっちゃんが行く!

    EBRI事務局担当の岩松美千子こと、「みっちゃん」が会員企業各社を訪問させて頂いて、インタビューした内容を紹介するコーナーです。

  • http://www.sanyo-paper.co.jp/第16回山陽製紙株式会社

     こんにちは!みっちゃんです。事務局を担当させて頂いて早2年が経ち、今年は3年目を迎えることとなりました。しかしながら関西方面の会員の方々にはなかなかお目にかかる機会が少なく、大変申し訳ないばかり…それではこちらから押しかけてしまおうと、「みっちゃんが行く!」大阪訪問が決定しました。ちょっと欲張り気味ではありますが、一気に3社訪問です。  泉南市に本社を構えます、山陽製紙株式会社(代表取締役 原田六次郎氏)様をご紹介致します。

    左から<br />原田社長、みっちゃん、中野氏、山本、徳利氏

    左から
    原田社長、みっちゃん、中野氏、山本、徳利氏

    ①仕事(事業)の内容

     私どもは古紙をリサイクルしてクレープ紙というシワのついた紙を作っています。創業は昭和3年で、私の祖父が広島にて紙の販売を始めました。それからずっと紙一筋で、昭和26年製紙業を開始し、昭和32年に山陽製紙という法人でスタートしました。今年で53期目を向かえます。  こちらでは古紙を再生しており、主なお客様は紙袋屋さんで、セメント袋などの底にミシンで縫われている幅50mmほどのテープの部分を作っています。古紙の製袋用クレープ紙メーカーは日本に弊社しかいない状態で、OEM生産を除けばほぼ100%のシェアを持っています。しかしながら需要は減るばかりです。そこでクレープ紙の用途開発に注力し、包装紙の分野で、鉄や電線の包装、引越しの時のお茶碗などの包装、あとはお花のラッピング‥等の包装紙を作ってまいりました。 製紙業は抄紙の工程において多くの水を使用し、環境に負荷をかけているのですが、21世紀になり、リサイクルや環境を特に意識し始め、経営理念の中でも環境に配慮した会社になろう、といろいろな取り組みを始めました。現在力を入れているのは梅炭を用いた商品です。7年前に梅の種の炭に出会い、試行錯誤してその炭を紙に抄き込み、梅炭クレープ紙を開発し、販売を開始しました。紙と炭は非常に相性も良く、梅の種の他には、食物残渣・ビールかす・プルーンの種‥そのような物の処分に困っていらっしゃるお客様とコラボレーションして色々な炭再生紙を作り、パッケージなどに使って頂く。そんなビジネスモデルを打ちたて、現在は進んでおります。 それ以外には、小ロットでの生産を得意としています。大手メーカーはトン単位での受注しか行っておりませんが、弊社は約500キロ単位から製造可能です。そこで現在視野に入れているのは、クローズドループの再生紙です。例えば、封筒作成会社では、裁断の際に裁ち落としが出ます。それを原料として再生して封筒の材料となる紙を作り、封筒会社にお返しする、このような全く無駄の出ないリサイクルを始めました。また、お酒の紙パックは内部にアルミが貼られており、それまではリサイクルしにくいものでした。しかし、その紙パックをパルプ化して紙を作り、お酒屋さんの袋や名刺を作ることも可能にしました。 梅炭の商品についてもう少しお話させて頂きます。会社からすぐ近くの山を越えると、すぐに和歌山県になります。中でも「みなべ」という町は日本でも有数の梅の産地です。そこで梅の種の処分に困っていました。和歌山大学の教授が村おこしとしていろいろ研究され、ちょうど周辺が備長炭の産地ということもあり、炭を焼く窯で種を焼いてみました。梅の種の炭は気孔が小さく、備長炭より機能性が優れている部分もあります。紙ですから形は自由に出来るので、その原紙をデザインしながらいろいろな用途の商品を企画しています。これからはB2C(電子商取引の形態の一つで、企業と一般消費者の取引のこと)の方へも関わって行こうかと思っています。

    再生紙から作られた商品の展示

    再生紙から作られた商品の展示

    中野氏より商品の説明を伺いました

    中野氏より商品の説明を伺いました

    ②EBRIに入ったきっかけ

     ㈱ゼロエミッションの松下氏に炭化装置の件で知り合い、この会を紹介頂き入会したのがきっかけです。

    ③業界の現状(現状、景気、競争面)

     景気面でいうと、リーマンショックの影響もすごいです。一昨年の11月頃から下降線でしたが、その後少しずつ回復し、現在は一昨年の一割ダウンまで戻ってきました。しかし、景気に左右されてはいけないと思い、次に向かって考えています。  競合に関しては鉄鋼や電線の包材の分野で価格競争はありましたが、今はお互いに競争しても需要が増えないので落ち着いています。 梅炭再生紙の方は他社では全くやっていません。コスト的には、普通の紙より当然原価は高いです。しかし、廃棄物を再生させる事で環境に関して先進的なユーザーの新しいニーズを掘り起こすことが出来ます。

    ④今後について

     世の中がどんどん変わってきていますが、素材メーカーなのでお客様の声がなかなか入ってきません。今までは原紙製造のみで、あとはお任せしていたのですが、デザイン・加工も重視し、素材を介していろいろな商品を開発し、コラボレーションしながら、お客様に使って頂けるものを作っていきたいです。B2Cの方へ力を入れる為、別会社を作りこれからやっていこうと思っています。  年商は現在10億円位ですが、なかなか売り上げが伸びていません。しかし5年間位かけて2~3億円位上昇させたいと考えています。

    ⑤EBRIの中でどのようなことを考えているか

     ほとんど活動に参加しておらず、中身はよくわからないので、これから環境について勉強させていただければいいなと思っています。

    ⑥その他

    (紀州梅炭の効果)
    環境ホルモンの吸着。消臭効果。殺菌・防虫効果。調湿効果。遠赤外線効果。電磁波防止作用。水質浄化作用。
    (梅炭クレープ紙の特徴と効果)
    ・古紙と水と炭で出来ています。
    ・100%リサイクル製品です。
    ・緩衝性に優れています。
    ・酸性ガスを吸着。
    ・調湿効果、消臭効果

    工場内を見学

    工場内を見学

    大型のボイラーを使用しています

    大型のボイラーを使用しています

    廃ダンボールを溶かしています

    廃ダンボールを溶かしています

    大型機械より再生紙が完成

    大型機械より再生紙が完成

    雑誌にも取り上げられました<br />写真のスーツは紙を織り込んだジーンズ地

    雑誌にも取り上げられました
    写真のスーツは紙を織り込んだジーンズ地

    夜は宴会で盛り上がりました

    夜は宴会で盛り上がりました



    【編集後記】

     「地球環境と循環型社会に貢献できる新しい再生紙を作りたい」というお考えから、様々な再生紙作りを実践されており、社員みなさんの工夫や思いが集結された会社様でした。通常、産業廃棄物として捨てられていた、梅やプルーンの種、コーヒー粕、あんこの粕などを、独自の技術を用いて炭にした後、再生紙にして蘇らせ、炭の特性を最大限に生かした商品にし、お客様に喜んでいただけるよう、リサイクルとエコロジーに高い意識をお持ちでいらっしゃいました。  炭再生紙を用いた商品は風合いも良く、やさしい雰囲気。炭の消臭や防カビ効果がそのまま紙に生かされているなんてすごいですね。  これからもいろいろな分野で有効にご活用されて行くのではないかと思い、大きな期待が膨らみます。