環境ビジネス総合研究所 - EBRI - インタビュー 第17回 みんたば!(廣告社(株)) 環境ビジネス総合研究所 EBRI

  • <<みっちゃんが行く!

    EBRI事務局担当の岩松美千子こと、「みっちゃん」が会員企業各社を訪問させて頂いて、インタビューした内容を紹介するコーナーです。

  • http://mintaba.jp/第17回みんたば!

    http://www.onakamameshi.jp/おなかまめし

    http://www.kokokusha.co.jp/廣告社(株)

    http://shirakami-agri.com/(有)白神アグリサービス

    (有)白神バイオエネルギー

    http://i-associates.co.jp/イノベーションアソシエイツ(株)

    みんたばの田んぼ

    屋根の上から畑を見ると‥

     こんにちは!みっちゃんです。今回は笑顔がとっても素敵な廣告社㈱の霞末さんがご提案している‘みんなの田畑’題して「みんたば!」のご紹介です。
     普段、当たり前のように食べているお米のこと、人と人との関わりのこと、原点から考えたことってありますか?お米作りを通して、様々な体験や意識向上が出来るのがこの「みんたば!」。場所は青森県西津軽郡鯵ヶ沢町。世界遺産の白神山地や岩木山などが有名な場所です。みっちゃんが訪問した9月は稲穂が垂れる、まさに稲刈りが真っ盛りな季節。鎌を持って稲刈体験もしましたよ。

     まずは、「みんたば!」の関係企業のご紹介。
    企画コーディネート・広報分野担当 廣告社株式会社 
    農業・地域交流分野担当 有限会社白神アグリサービス 
    人材育成分野担当 イノベーションアソシエイツ株式会社 
    以上、3社の運営のもと、「みんたば!」は成り立っています。

    白神アグリのみなさんと 

    「みんたば」の文字に稲刈り

    ①仕事(事業)の内容

     「みんたば!」について
    企業や学校が、日本にある農地を活用し、作る喜びや豊さを感じながら同時に小さな社会貢献(耕作放棄地利用、地域経済活性、自給率向上等)を実現していくための農業プラットフォームの提供サービスです。農業未経験の人々が自ら農作業をし、そのプロセスをサポートする農業体験プログラム。農業や自然の胸を借りながら、人との交流の感動体験を通して、生きること、働くことの根っこをみつめ、視野を広げます。自分軸の強化や、新しい可能性を切り開きます。「人とお米を同時に育て」、同時に「都市と農村の社会問題を解決する」そんな地域連携農業体験プログラムが「みんたば!」です。
    また、「みんたば!」のプロセスから生まれる人材成長効果をさらに高め、また日常の仕事にも活用できるような人材研修プログラムとして「おなかまめし」が準備されています。“同じ釜の飯”“お仲間飯”をひっかけた名前ですが、組織風土変革も意識した内容となっています。

    1、始めたきっかけ
    (霞末氏)
     最初は、自分の手で生産を行う産業に関わりたいって思うような年代の社員が集まって、「天丼会」というのが廣告社の中で作られたんです。天丼の具の中には野菜や海産物などいろいろな「海のもの」「山のもの」が入っているから一次産業まるごとで天丼会です。これを知人だった白神アグリの木村さんに相談して現地に訪問させてもらい、何ができるだろうと考えていると、いろんなアイディアが出していきました。その中で木村さんから提案があったのが、企業が春先に「田んぼの米をこれだけ買いますよ。と約束した上で栽培出来るとそれがすごくいいのだけれどな。」という木村さんの一言が今回の「みんたば!」の一番最初のモデルになりました。
    現状、農家は農協にお米を買ってもらっていますが、一俵いくらで必ず買ってくれるけれども、手間ひまのかけ方には関係なく、一律同じ料金になってしまう。それは、買取の安定という意味ではいいことなんだけれども、どんなに手間をかけても一律同じ値段となってしまうのがモチベーションの関係で良くない。そこを少し高く買ってくれる直接消費者がいてくれれば、さらにそれが企業だったらいいなという話だったのです。
    いろんな農業を現実的にやっていくには、必ず家族一丸になってやらないと出来なくて、じゃあ一人の賃金はいくらだろうと人件費換算していったら、大体一人時給200円くらいになってしまうという現実を教えてもらいました。「え?そんなに安いのですか!」と驚き、さらに一家の年収を聞いたらちょっと唖然。そういうもので日本の農業は成り立っていくのだな、っていうのがわかり、農業の後継者がなかなか育ちづらいっていう現実も理解できて、そういうことをちゃんと理解出来る消費者がもっと増えなきゃいけないってことが、よくわかったのですね。

    (木村氏) 製造業とか工業などとは全く構造が違うのですよ。需要もないのに作っている。という問題が現時点であります。お米を高く買ってくれたいい時代もありました。それがどんどん下がっていったのに、市場原理に基づいて安くなっていったのに合わされてしまいました。
    後継者だとか、新規参入が非常に難しくなり、企業経営と比較してやっていくと、とても不健全な経営になっている。そこを健全な経営にしていく為にはこの「みんたば!」が最適で、直接の消費者が自分で作って買ってもらえれば一番いいです。1俵15000円くらいがラインで、企業の人がみんなでお米を作り、15000円で買ってもらえれば、それがフェアな取引になると思います。
    今仮渡し米一俵60キロ8,500円とかの値段で農協に出荷しています。例えば去年11,500円、今年8,500円で3,000円位の差がある、今年はこの差額がどう小売価格に影響するのかが見ものであると思います。それで変化がなければ、中間業者がただ儲けているだけで、ぜんぜん農家には反映されない。個別所得保障で補填はされる可能性はありますが、予算がつくかはわからない。消費者としても、生産者米価が安くなっているのに、去年と同じくらいの値段で売られているのなら、全く得しない。中間の人だけが得する。仮にそんなことがあったとしても、農家はわからない。そういうことを含め、農業のことを消費者の方が理解していない限りこの構造は絶対崩れないから、農業の現場を通して理解してもらいたいんです。

    (霞末氏)
    「みんたば!」自体は企業に売ろうとしていますけど、「みんたば!」ってものを通じて、20人でも30人の人がそういった農業の現実を理解して、自分たちが食べているお米がものすごく安いっていうのを知り、問題意識を持った時に、生産者の人と消費者の人の関係性が変わってきて、あり方に変化が起きる可能性や、社会事業としての価値を作っていけるのではないかと思い展開しています。消費者の感覚が変わるっていうことは結果的な話なのですが、そのプロセスが人の成長を通じて企業に生産性の向上を生み出すだろうというのが、企業に提案するときのバリューだと思っています。ひとつには春先にスーパーで買うよりも安いお米を買えるっていうのが直接的な価値なのですけれども、プロセスの中でこういった話も聞きながら社員の人が自分の企業の社会的なバリューをもう一回見つめなおすとか、その企業の中における自分の立ち位置をもう一回見つめ直すとか、つまり自分の企業が社会の中でどんな意味を持ってあるのかがわかって、さらにその中で自分の役割として何をちゃんとするべきか、自分にとって行く方向なのかということが見つめ直すことが、お米作りのプロセスの中でもう一回原点回帰出来るとしたら、企業にとってすごくバリューが増え、人間協力、研修としての価値があるっていうことで、今売ろうとしています。
    青森は遠い(笑)!だから、交通費も時間もかかって、なかなか投資が見合わないと言われます。でも、このプロセスで原点回帰と人の成長が行われ、企業のベクトルが個々の社員のベクトルと合致するようになれば、青森の距離でかかった交通費ぐらいあっという間に跳ね返すほどの企業成長があると思っています。そこに注目を集めたいと思っているのがこの「みんたば!」です。

    木村さん(左:兄・才樹さん、右:弟・農也さん)

    バーベキューを囲んでのインタビュー

    2、今後について
     (木村氏)
     「みんたば!」っていうのは経済的繋がりプラス、精神的な繋がりや信頼性も生まれてきます。それはいろんな仕事についても言えることだし、お金だけの関係ではなく農家にとってすごいうれしいことです。「みんたば!」は相互理解とか信頼を生むものになっています。小さい時に自然体験した子供は大人になって年収が多いという統計もあるそうです。農家の人は大変だと卑屈になっていましたが、交流を通し都会の人も大変というのがわかってきました。全然違う地域に住んでいる先輩であり、同じ飯を食った仲間であり、なんでも言い合えるようなそういう関係が築きあげられるっていうのは、目に見えない、お金に換算出来ない価値であります。これからも農家と都会とお互いに気にかけるいい関係作りが出来ればと思っています。

    3、その他(座右の銘)
     臨機応変
    (霞末氏)
     「みんたば!」を通じて臨機応変というには大切な言葉だなって思いました。ケースバイケースでニュートラルであると。やっぱりそれは農業現場、つまり自然と向き合う現場でいろいろ教わる部分の大きいところです。
     (木村氏)
    朝、全部の畑を見て、その日の天候を見て、その日でないと予定は決まりません。しかし、それは企業であっても同じだと思います。問題があった時に農業をやった人とやってない人では違ってきます。アクシデントが起きた時に的確に対応出来る人間というのが本当に生きる力があって、仕事も出来る人間。そこにうそや理想があってもいい、ここに来て体験して、話しして、勉強が出来ればいいと思いました。

    毛豆の出荷作業が行われていました

    大人気の干しりんご

    4、その他(白神アグリサービス、白神バイオエネルギーついて)
     白神アグリサービスはもともと農作業の受委託を中心にした農業生産法人です。平成2年から任意の組合で田んぼを作れない場所の作業をして、平成16年に法人格にしました。農家から土地を集めてそこの仕事を各農家に振り分けていましたが、現在は出来るだけ委託しないで会社の中だけでやっています。
     もうひとつの会社の白神バイオエネルギーは農作業をする上で出たいろんなゴミを利用出来ないかということで始めました。今までは苦労して拾ったりんごの剪定枝をただ燃やしていました。それではもったいないので、剪定枝をチップ化して燃料にする熱用バイオマスです。
     ここではその剪定枝を細かく砕いて堆肥にもしています。堆肥にして畑に還元して、CO2の発生を抑え、畑も良くなり、循環型農業ということでやっています。この堆肥の販売もしています。
     バイオエネルギーの方はこのような形でエネルギーの生産・堆肥の生産、りんごの薪の販売をしています。
     なかなか採算は合わず、米は作れば作るほど赤字のような状態。会社の売り上げの半分が国からの補助金で経営しています。出来るだけ補助金に頼らない農業をしようと、自分たちで値段のつけられるものをやって行きたいと思い、「みんたば!」とか、加工品を始めました。干しりんごは結構人気が出ています。しかし、真似するものも出てくるので、競走です。いつも新しいものを作って行かなくてはならないのでそれが大変です。みんたばは直接消費者に伝えられるし、渡せるし、農家の人の物の価値を見てもらえてうれしいと思います。

    りんごの薪を炭にする焼却機

    りんごの剪定枝を砕いて堆肥にしています

    【編集後記】
     今回は幾度となくスコールのような雨に見舞われ、あいにくの天候の中での取材でした。東京で育ったみっちゃんは農作業や稲刈りは初体験。最初は鎌を持つ手もおぼつかず、なかなか思うように作業が進みませんでしたが、現地農家の方達が優しく丁寧に教えて下さり、楽しく稲刈りが出来ました。しかし、手で刈る作業は頭で考えるより結構大変。収穫の喜びを感じながらも農家の皆さんの苦労も身をもって体験。「なるほど、お米ってこんな風に実るんだな」「刈り取った稲は干すのね」‥なんて、農家の皆さんにとっては当たり前のことを感じながら、農作業を体験しました。
     「みんたば!」はこんな感じで都会の企業が農作業をしながら農業のことを考え、食への意識、コミニュケーション能力の活性化や人材育成など、様々な効果への期待をはかっているのですね。何気ないことが実は大切だったり、食の原点を考えたり、いろんなことを気づかせてくれる。そんな「みんたば!」のプロセスに心も温まりました。
     夜は地元農家の方や、同じくプロジェクトに参加中の大学生の方々を囲んで、バーベキュー大会です。年齢も性別も育った環境も違う人々が集まり、楽しいひと時でした。もちろん、これも「みんたば」参加でのメリットのひとつ。
    都会では味わうことの出来ない農業体験し、とっても楽しい取材でした。

    みんなで稲刈り

    いっぱい刈れました

    コンバインも運転しました

    刈った稲は天日干し

    古民家に宿泊

    夜はみんなでバーベキュー

    クライミング体験

    誕生会のサプライズもありました

    田んぼには古代米で描かれた「MAGNET」の文字が‥
    M マーケティング アンド
    A アドバタイジング
    G グローバル
    NET ネットワーク
    独立系広告会社の国際ネットワークだそうです。