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  • 家電リサイクル工場見学会実施

  • 8/21家電リサイクル工場見学会(株式会社ハイパーサイクルシステムズ

     環境ビジネス総合研究所では、会員より参加者を募って、家庭用家電製品のリサイクル工場へ行ってまいりました。訪問先は千葉県市川市に本社を構える、株式会社ハイパーサイクルシステムズです。

     数年前までは、廃棄された電化製品は廃棄物処理業者や各自治体で引き取られ、埋立て処理をされているのがほとんどでした。しかし、廃棄された家電製品の素材には鉄や銅、プラスチィックなど、再生資源として有効活用できるものが多く存在します。そこで、資源の有効活用や廃棄家電品の減量を目的として、2001年4月より「家電リサイクル法(特定家電用機器再商品化法)」が施行されました。(現在、特定家庭用機器に指定されているのは、テレビ(ブラウン管式・プラズマ・液晶)、冷蔵庫(冷凍庫)、洗濯機(乾燥機)、エアコンの通称 家電4品目と呼ばれるものです)
     現在、日本には家電メーカーが多く存在しますが、指定取引場所(全国379ヶ所)・リサイクルプラント(全49プラント)の基本コンセプトに違いと独禁法回避の為、Aグループ(東芝、パナソニックなど)とBグループ(日立、三菱電機、富士通ゼネラル、シャープ、三洋)に処理施設を分けています。今回訪問した株式会社ハイパーリサイクルシステムズはBグループになります。

      Aグループ 既存の業者(資産)を活用し低コストリサイクル
      Bグループ 製造者自ら工場を設立し高度リサイクルを目指す

     株式会社ハイパーリサイクルシステムズは三菱電機が設立した業界初の家電リサイクルプラントとして1998年5月に操業を開始しました。2010年にはテレビ専用工場として千葉工場も操業開始しています。
    家電リサイクル法ではすべて素材化すること。そのままのリユースは認められていません(一部部品除く)。解体・素材化の基本フローは以下の通りです。

    手解体→破砕(分離)→金属選別→プラスチック選別(微破砕)→プラスチック素材分離
    *金属選別までは全国共通の工程ですが、それ以降の工程は三菱独自のものになります。

     手作業で取り除かねばならないもの
    ・法律で定められたもの→冷媒フロン、大きなプリント基盤
    ・有害物→重金属が含まれるもの(蛍光灯、殺菌灯、感震器、リレー、プリント基盤
    ・危険物→HC冷媒、トナー、油、ゲッター材
    ・機械処理出来ないもの→コンプレッサ、洗濯機内の塩水、真空断熱材
    ・法定再商品化率遵守→ブラウン管テレビのガラス

     手作業で取り除くべきもの(コストや作業困難により、必ずしも実施されていない)
    ・機械のトラブル回避→電解コンデンサ
    ・機械で回収効率悪いもの→熱交換器、ハーネス、SUS、非鉄(銅とアルミ以外)、 モーター、トランス、
     プリント基盤、重比重プラ、冷蔵庫ガスケット
    ・他の素材→軽質物、熱硬化性樹脂、難燃性プラ、ガラス入りプラ、SUS、塩ビ、ゴム、 木、磁石
    ・より高いレベルのリサイクルが可能なもの→単一素材、単色プラスチィック部品

    フロン回収
     オゾン層の破壊や地球温暖化の原因と言われるフロンは、エアコンや冷蔵庫の冷媒や断熱材の発泡用として使われています。同工場では確実に回収して無害化処理します。

    1、手作業・冷媒フロンの回収
      エアコンや冷蔵庫のコンプレッサに封入された冷媒フロンは手作業にて
      専用の回収機で抜き取られます。

    2、断熱材フロン回収
      冷蔵庫の断熱材(ウレタン)の中に含まれているフロンは専用の回収装置で回収されます。
      破砕→ウレタン粉砕→活性炭吸着→蒸気脱着→液化回収

    3、脱気
      断熱材を粉砕し、ウレタンに含まれているフロンを密閉された部屋に追い出します。

    4、吸着・回収
      密閉された部屋に追い出されたフロンは、活性炭フィルターに吸着させ、
      スチームで分解し回収します。

    5、ウレタン処理
      フロンを取り除いた粉末のウレタンは、圧縮し固形化されます。
      固形化されたものは助燃剤などに再利用されます。

    6、フロンの処理
      手作業によって回収された冷媒フロンは高圧ボンベに移し、ウレタンから回収されたフロンは
      専用容器に移し、フロン破壊処理センターにて、高温処理法やプラズマ法で無害化処理されます。

    プラスチックの回収
    クローズドマテリアルリサイクル
    ・元の同じ製品にリサイクルされます。

    プラスチックの自己循環
    ・特定のプラスチック(同素材)のみ手作業で取り、ペレット化しメーカーに売却します。

    プラスチックの残渣リサイクル
    ・破砕
     家電製品の破砕されたものから、高磁力選別機(磁石)にて磁性金属を取り、
     粒度を整える為、破砕します。

    ・分級装置
     ふるいにかけ、大小専用の選別ラインに分配します。

    ・乾式比重選別機
     細かい残渣から、比重の違いで金属とプラスチックに分けます。

    ・静電選別
     高電圧の放電装置でさらに細かい金属を取り除きます。

     このように、回収された家電製品は徹底した作業工程により、純度の高い資源となり、生産工場へと戻され循環型のリサイクルを実現しています。また、家電メーカーも設計段階からリサイクルのことを考えており、原材料の使用を減らし再生資源を使用し、解体や分別をしやすい設計にしています。



    【 リサイクルマップ 】
    図

    1

    同一素材のものはそのまま同じ製品に
    リサイクルされます

    2

    様々な素材に分別されます

    3

    基盤からは鉄や銅、アルミなど分別されます

    4

    トラックが乗って計量する装置

    5

    工場内部を見学中

    6

    分別された素材が回収容器へ

    7

    破砕分別された素材が次々出てきます

    8

    回収された鉄のレーン

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    フロンは専用容器へ

    廃家電製品が毎日大量に搬入されてきます

    11

    家電リサイクル法により搬入された家電品

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    補修工事が完成した後の苔現場の様子です。

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    冷媒フロンを確実に回収

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    作業所は集塵機によって働きやすい環境に

    15

    太陽パネルを導入し電力の一部を賄います

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    単一素材のプラスチィック粉砕機

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    手作業で取れる部品は取り除きます

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    洗濯機の内部枠や水槽などを外します

    19

    軽いプラ素材は吸い上げられて上へ、
    重い金属は下へ落ち、分別しています

    20

    工場内の発電量を掲示板にて表示しています