
EBRI事務局担当の岩松美千子こと、「みっちゃん」が会員企業各社を訪問させて頂いて、インタビューした内容を紹介するコーナーです。
こんにちは!みっちゃんです。今回は笑顔がとっても素敵な廣告社㈱の霞末さんがご提案している‘みんなの田畑’題して「みんたば!」のご紹介です。
普段、当たり前のように食べているお米のこと、人と人との関わりのこと、原点から考えたことってありますか?お米作りを通して、様々な体験や意識向上が出来るのがこの「みんたば!」。場所は青森県西津軽郡鯵ヶ沢町。世界遺産の白神山地や岩木山などが有名な場所です。みっちゃんが訪問した9月は稲穂が垂れる、まさに稲刈りが真っ盛りな季節。鎌を持って稲刈体験もしましたよ。


まずは、「みんたば!」の関係企業のご紹介。
企画コーディネート・広報分野担当 廣告社株式会社
農業・地域交流分野担当 有限会社白神アグリサービス
人材育成分野担当 イノベーションアソシエイツ株式会社
以上、3社の運営のもと、「みんたば!」は成り立っています。


①仕事(事業)の内容
「みんたば!」について 企業や学校が、日本にある農地を活用し、作る喜びや豊さを感じながら同時に小さな社会貢献(耕作放棄地利用、地域経済活性、自給率向上等)を実現していくための農業プラットフォームの提供サービスです。農業未経験の人々が自ら農作業をし、そのプロセスをサポートする農業体験プログラム。農業や自然の胸を借りながら、人との交流の感動体験を通して、生きること、働くことの根っこをみつめ、視野を広げます。自分軸の強化や、新しい可能性を切り開きます。「人とお米を同時に育て」、同時に「都市と農村の社会問題を解決する」そんな地域連携農業体験プログラムが「みんたば!」です。 また、「みんたば!」のプロセスから生まれる人材成長効果をさらに高め、また日常の仕事にも活用できるような人材研修プログラムとして「おなかまめし」が準備されています。“同じ釜の飯”“お仲間飯”をひっかけた名前ですが、組織風土変革も意識した内容となっています。 1、始めたきっかけ (霞末氏) 最初は、自分の手で生産を行う産業に関わりたいって思うような年代の社員が集まって、「天丼会」というのが廣告社の中で作られたんです。天丼の具の中には野菜や海産物などいろいろな「海のもの」「山のもの」が入っているから一次産業まるごとで天丼会です。これを知人だった白神アグリの木村さんに相談して現地に訪問させてもらい、何ができるだろうと考えていると、いろんなアイディアが出していきました。その中で木村さんから提案があったのが、企業が春先に「田んぼの米をこれだけ買いますよ。と約束した上で栽培出来るとそれがすごくいいのだけれどな。」という木村さんの一言が今回の「みんたば!」の一番最初のモデルになりました。 現状、農家は農協にお米を買ってもらっていますが、一俵いくらで必ず買ってくれるけれども、手間ひまのかけ方には関係なく、一律同じ料金になってしまう。それは、買取の安定という意味ではいいことなんだけれども、どんなに手間をかけても一律同じ値段となってしまうのがモチベーションの関係で良くない。そこを少し高く買ってくれる直接消費者がいてくれれば、さらにそれが企業だったらいいなという話だったのです。 いろんな農業を現実的にやっていくには、必ず家族一丸になってやらないと出来なくて、じゃあ一人の賃金はいくらだろうと人件費換算していったら、大体一人時給200円くらいになってしまうという現実を教えてもらいました。「え?そんなに安いのですか!」と驚き、さらに一家の年収を聞いたらちょっと唖然。そういうもので日本の農業は成り立っていくのだな、っていうのがわかり、農業の後継者がなかなか育ちづらいっていう現実も理解できて、そういうことをちゃんと理解出来る消費者がもっと増えなきゃいけないってことが、よくわかったのですね。 (木村氏) 製造業とか工業などとは全く構造が違うのですよ。需要もないのに作っている。という問題が現時点であります。お米を高く買ってくれたいい時代もありました。それがどんどん下がっていったのに、市場原理に基づいて安くなっていったのに合わされてしまいました。 後継者だとか、新規参入が非常に難しくなり、企業経営と比較してやっていくと、とても不健全な経営になっている。そこを健全な経営にしていく為にはこの「みんたば!」が最適で、直接の消費者が自分で作って買ってもらえれば一番いいです。1俵15000円くらいがラインで、企業の人がみんなでお米を作り、15000円で買ってもらえれば、それがフェアな取引になると思います。 今仮渡し米一俵60キロ8,500円とかの値段で農協に出荷しています。例えば去年11,500円、今年8,500円で3,000円位の差がある、今年はこの差額がどう小売価格に影響するのかが見ものであると思います。それで変化がなければ、中間業者がただ儲けているだけで、ぜんぜん農家には反映されない。個別所得保障で補填はされる可能性はありますが、予算がつくかはわからない。消費者としても、生産者米価が安くなっているのに、去年と同じくらいの値段で売られているのなら、全く得しない。中間の人だけが得する。仮にそんなことがあったとしても、農家はわからない。そういうことを含め、農業のことを消費者の方が理解していない限りこの構造は絶対崩れないから、農業の現場を通して理解してもらいたいんです。 (霞末氏) 「みんたば!」自体は企業に売ろうとしていますけど、「みんたば!」ってものを通じて、20人でも30人の人がそういった農業の現実を理解して、自分たちが食べているお米がものすごく安いっていうのを知り、問題意識を持った時に、生産者の人と消費者の人の関係性が変わってきて、あり方に変化が起きる可能性や、社会事業としての価値を作っていけるのではないかと思い展開しています。消費者の感覚が変わる