EBRI事務局担当の岩松美千子こと、「みっちゃん」が会員企業各社を訪問させて頂いて、インタビューした内容を紹介するコーナーです。
こんにちは!みっちゃんです。
今回は㈱シマダへ訪問インタビューに
行って参りました~!
仕事(事業)内容
昭和22年に無機薬品を主体とした化学工業薬品販売の専門商社としてスタートしました。硫酸、苛性ソーダ、塩酸、アンモニアなど、理科の時間に聞くような製品を中心に販売をしております。化学工業薬品販売が売上の7割を占め、あとの3割は廃棄物処理の仲介事業です。 フロンガスや有機溶剤と言われるものの売上が環境対応でかなり激減した時期がありました。その際、産業廃棄物処理業者と業務提携をし、硫酸・塩酸・苛性ソーダを納めているお客様から出てくる廃液を、提携業者に仲介して業務手数料をいただく取り組みを実行しました。以来30年程経過しましたが、廃棄物処理事業は順調に伸びてきています。産廃の取扱品目が広がってきて、廃液処理・汚染土壌処理・最近ではPCB処理をしています。
EBRIに入ったきっかけ
ずっと考えていたのですが、実は正直よく覚えていなくて、最初はランチミーティングで関係企業に紹介されて行ったのがきっかけだったと思います。するとそこに小柴さんがいらっしゃり「君は学校の後輩じゃないか」ということで盛り上がり、EBRIにも誘われ参加しました。また、不思議なご縁で顧問の小堀さんが弊社の元専務をご存知で、荏原にいらした小堀さんもおられるなら、ということで入会しました。
業界の現状
全体的にお客様の動きは悪くない状況です。扱っている商品が汎用品である為、特化している業界は無いのですが、半導体ですとか電子関係に繋がっているお客様は非常に稼働が良い状況です。しかし現在、原料の値上がりと、運賃の値上げで、今年に入って値上げ交渉ばかりしています。これに伴って稼働にも影響が出ないか心配しています。 廃棄物処理事業の方は稼働が良ければそれに比例して廃棄物も増えており、堅調に推移しています。現在、プラスチックのリサイクル要請が多くなっています。中国が廃プラスチックの輸入を全面的に禁止しましたので、今まで最終的に中国へ輸出されていた廃プラスチックを国内で産業廃棄物として処理しなければならなくなった為です。これまで中国が買い取っていた廃プラスチックは、品質的な問題から国内でリサイクルが困難な事例が多いので、より安価に処理できるか、リサイクルできるか、という課題を克服出来れば、さらに対応範囲も広がると思います。 PCB処理の方はお陰様で絶好調です。主要取引先の業績が非常にいいので、コストがかかるものは業績いい時に処理しようと、流れが加速している感じです。 意外と思われるかもしれませんが、汚染土壌が苦戦しています。オリンピックとか、リニアとか、外環道とか、インフラ整備による汚染土壌の発生量は増加していると思うのですが、処理会社が乱立気味になっており受注にむけた競争が厳しくなっています。
今後の方針
次の新しい事業展開が課題です。既存事業だけでは限界があると思います。よく社内で言っていますが、「うちの主力事業は化学工業薬品販売と廃棄物処理です」という様なくくり方は時代からずれているのではないかと思っています。化学工業薬品とか廃棄物処理はあくまで提供側から見た軸であって、お客様から見ればあまり関係ない話です。あるお客様から出てきた廃棄物は、発生元にとっては価値のない物でしょうが、ちょっとひと手間加える(例えば、不純物を除去する)ことで付加価値が出ることもあります。これは化学工業薬品の販売なのか、廃棄物の処理なのか判断が難しいと思います。化学工業薬品と廃棄物処理の境界線上に次のニーズが隠れていると感じております。組織横断のプロジェクトチームを組んだり、週報や出張報告書をサーバーに入れて誰でも見られるかたちにして社内での情報共有を図り、アイデアが出やすい雰囲気を作るように心掛けています。 また、やる気のある人材の確保と育成も課題です。社内教育をどうするか、研修制度を作った方がいいか、外部で勉強させた方がいいか、様々な検討をしています。 今期の売上予算はかなり高めに設定しています。前述の汚染土壌処理の苦戦もあり、正直なところ予算達成はきついかもしれません。とにかく昨年実績を上回る事を目標とし、無理に数字を追わずに新しい取組への地固めの年にしたいと思います。
EBRIの中でどう思っているか
私としては次の新規事業のタネを探しながら、協業出来る方に出会えればという感じです。EBRI側もそういう方向でやられているのは感じています。一方的なPRだけではなく、お互いにメリットがあり、ギブ&テイクで関われる会社と出会いたいと思います。
その他
社長になって、「大変ですね」と言われますが、大変かどうかがよく分からないというのが正直な気持ちです。例えば、お客様との会食の場で、今までは前社長が会話の中心でしたので聞いている時間が長かったのですが、今度は会話を盛り上げる立場となり、下手な発言が出来ないとか、勉強しなくてはいけないとか、いい意味でのプレッシャーが生まれました。
常に先を見なければいけないという意識が強くなりました。今のところは業績がまずまずなので追い詰められた感じはないですが、景気の波が来た時に対応出来るかという不安はあります。かなり先の話ですが、「自分の後継者をどうするか?」なども考えますし、色々なことが頭の中をぐるぐる回っています。
最近のトピックスとしては、化学工業日報という業界紙に社長就任のインタビュー記事が5月に掲載されました。また、8月13日には今年社長に就任した方々のプライベートアンケートという企画で掲載されます。
あとは、今年3人(営業2名、事務職1名)を中途採用しました。うまく育ってくれるか心配ですが、若い人が増えたので会社の雰囲気も変わりました。社員旅行も大変盛り上がり、良かったと思っています。
座右の銘は、稲盛和夫さんの「楽観的に構想して、悲観的に計画して、楽観的に実行する」という言葉を何かの本で読み、これはいいなと思っています。新しい事をする時は「こんなの無理だろう」とか色々な先入観があると思います。保守的な人だと中々新しい事が出来ないのですが、そこを解きほぐして自由な発想で構想し、失敗した時のリスクは最小限に抑えて成功に導くことが必要だと学びました。
ほかには「不易流行」という言葉です。変えるところと変えないところをしっかり見極めなくてはいけないと思っています。
【編集後記】
今回は亀戸駅から徒歩10分ほどの下町に位置する、株式会社シマダの島田社長にインタビューをして参りました。 辺りはものづくりの企業や倉庫など多く、配送の車が盛んに行きかう道路に面し社屋はありました。社内は明るく清潔で、対応して下さる従業員の方もとても丁寧です。そしてすぐさま島田社長がおいでになりインタビューはスタート。 島田社長は今年2月に社長にご就任されて、70年もの歴史を持つ化学製品企業の舵取りをしています。社長という重みを十二分に感じつつ、会社の為、社員の為、会社をより良くしようと思われる強い想いがひしひしと伝ってまいりました。歴史のある会社だからこそ、先代からの積み上げてきたものを守りつつ、さらに伸ばし、新たな展開を目指すのはかなりのプレッシャーですね。 インタビューを受けながら色々な想いをめぐらされているようで、その表情がとても印象的でした。これからも益々の発展を祈念しております。
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